中小企業経営強化税制(令和3年度税制改正)
中小企業経営強化税制
制度の概要
青色申告書を提出する中小企業者等が、指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。
(注1)税額控除額は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制の控除税額の合計で、その事業年度の法人税額又は所得税額の20%が上限となります。なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。
(注2)特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、その償却不足額を翌事業年度に繰り越すことができます。
条文:租税特別措置法
第10条の5の3【所得税】、第42条の12の4【法人税】、第68条の15の5【連結法人】
中小企業者等とは?
- 資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
- 資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
- 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
- 協同組合等
※中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限ります。
ただし、次の法人は、資本金又は出資金の額が1億円以下でも本税制措置の対象とはなりません。
- 同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
- 2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
- 前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人
(注) 大規模法人とは、資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業等経営強化法に規定する認定事業再編投資組合を経由して間接的に保有している部分のみ)及び中小企業投資育成株式会社を除きます。
指定期間とは?
平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間
一定の設備とは?
類型 | 生産性向上設備(A類型) | 収益力強化設備(B類型) | デジタル化設備(C類型) |
要件 | 生産性が旧モデル比年平均1%以上向上する設備 | 投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備 | 遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備 |
確認者 | 工業会等 | 経済産業局 | 経済産業局 |
対象設備 |
◆機械装置(160万円以上/10年以内) ◆測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内) ◆器具備品(30万円以上/6年以内) ◆建物附属設備(60万円以上/14年以内) ◆ソフトウェア(情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの) (70万円以上/5年以内) |
◆機械装置(160万円以上) ◆工具(30万円以上) ◆器具備品(30万円以上) ◆建物附属設備(60万円以上) ◆ソフトウェア(70万円以上) |
◆機械装置(160万円以上) ◆工具(30万円以上) ◆器具備品(30万円以上) ◆建物附属設備(60万円以上) ◆ソフトウェア(70万円以上) |
他要件 | 生産等設備を構成するものであること(事務用器具備品・本店・寄宿舎等に係る建物付属設備、福利厚生施設に係るものは該当しません)/国内への投資であること/中古資産・貸付資産でないこと等 |
指定事業とは?
製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、小売業、一般旅客自動車運送業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、料理店業その他の飲食店業(一定の類型を除き(注4参照)、料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブ、その他これらに類する事業を除きます。)、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、損害保険代理業、情報通信業、駐車場業、学術研究、専門・技術サービス業、不動産業、物品賃貸業、広告業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、医療、福祉業、社会保険・社会福祉・介護事業、教育、学習支援業、映画業、協同組合(他に分類されないもの)、サービス業(他に分類されないもの)
(注1)中小企業投資促進税制の対象事業に該当する全ての事業が中小企業経営強化税制の指定事業となります。
(注2)電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。
(注3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に該当するものを除きます。
(注4)風俗営業に該当するものは、①料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する飲食店業で生活衛生同業組合の組合員が営むもの、②宿泊業のうち旅館業、ホテル業で風俗営業の許可を受けているもの、以外は指定事業から除かれます。