住宅借入資金の贈与税の非課税措置の見直し(令和3年度税制改正)
住宅取得等資金係る贈与税の非課税措置
1.制度の概要
父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります(以下、「非課税の特例」といいます。)。
次の要件の全てを満たす受贈者が非課税の特例の対象となります。
- 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。
(注) 配偶者の父母(又は祖父母)は直系尊属には該当しませんが、養子縁組をしている場合は直系尊属に該当します。
- 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
- 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下)であること。
- 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。
- 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をしたものではないこと。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
(注) 受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれます。)ことにならない場合は、この特例の適用を受けることはできません。
- 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除きます。)。
なお、贈与を受けた時に日本国内に住所を有しない人であっても、一定の場合には、この特例の適用を受けることができます。 - 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
2.改正の内容
(1) 非課税限度額の引上げ(据え置き)
令和3年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額が、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間の非課税限度額と同額まで引き上げられました。
消費税税率10%適用住宅 | その他の住宅 | |
改正前 | 1,200万円 | 800万円 |
改正後 | 1,500万円 | 1,000万円 |
(注)上記の非課税限度額は、耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋に係る非課税限度額。一般の住宅用家屋に係る非課税限度額は、それぞれ500万円減。
(2) 床面積要件の緩和
受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を40平方メートル以上(現行:50平方メートル以上)に引き下げられました。
3.適用期日
令和3年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。
詳しい要件・内容は、「国税庁HP>税の情報・手続・用紙税について調べるタックスアンサー(よくある税の質問)相続税No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」をご覧下さい。