適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法
国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」より
国税庁「インボイス制度に関するQ&A目次一覧」
国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達の制定について(法令解釈通達)」
(仕入税額の計算方法)
【答】
適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、次のとおりです。
1 積上げ計算
原則として、交付された適格請求書などの請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します(請求書等積上げ計算)(新消法30①、新消令46①)。
また、これ以外の方法として、課税仕入れの都度(注1)、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額等(注2)などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)(新消令46②)。
なお、仕入税額の計算に当たり、請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算を併用することも認められますが、これらの方法と割戻し計算(下記「2」参照)を併用することは認められません(インボイス通達4-3)。
(注)1 例えば、課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けた際に、当該適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合のほか、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税仕入れにつきまとめて交付を受けた適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合が含まれます(インボイス通達4-4)。
なお、帳簿積上げ計算において計上する仮払消費税額等については、受領した適格請求書ではない納品書又は請求書を単位として計上することや継続的に買手の支払基準といった合理的な基準による単位により計上することでも差し支えありません。
(注)2 課税仕入れに係る支払対価の額には消費税額等を含みますので、帳簿に記載する仮払消費税額等は、一般的に、適格請求書等の請求書等に記載された課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出するものと考えられますが、例えば、課税仕入れに係る税抜対価の額が記載された納品書を基礎として帳簿に仮払消費税額等を記載する場合において、当該税抜対価の額に100分の10(軽減税率の対象となる場合は100分の8)を乗じて算出する方法も認められます。
2 割戻し計算
課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額を税率ごとに合計した金額に110分の7.8(軽減税率の対象となる部分については108分の6.24)を掛けて算出することができます(新消法30①、新消令46③)。
ただし、仕入税額を割戻し計算することができるのは、売上税額を割戻し計算する場合に限ります。