国税庁リーフレット「令和6年能登半島地震により被害を受けられた方へ (相続税・贈与税に係る財産評価の概要)」のご紹介

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令和6年能登半島地震により被害を受けられた方へ
(相続税・贈与税に係る財産評価の概要)

令和6年能登半島地震により、被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
 「令和6年能登半島地震による災害」(特定非常災害)により被害を受けた財産の相続税及び贈与税における評価方法等の概要は、次のとおりとなります。

 Ⅰ 特定非常災害発生日前(令和5年12月31日以前)に取得した財産の評価
 1 土地等及び株式等【租税特別措置法に基づく特例評価】
特例評価の適用要件 評価額
取得時期 対象となる財産
土地等 ① 令和5年2月28日から令和5 年12 月31日までの間に相続等(相続又は遺贈)により取得したもの
② 令和5年1月1日から令和5 年12 月31日までの間に贈与により取得したもの
令和6年1月1日(特定非常災害発生日)において所有していた土地等のうち、特定地域(注1)内にある土地等【特定土地等】 特定非常災害の発生直後の価額(土地等の価額は、令和6年分の路線価等に「調整率」(注4)を乗じて計算します(注5)。)によることができます。
株式等 令和6年1月1日において所有していた株式等(注2)のうち、その取得の時において、特定地域内にあった動産等(注3)の価額が保有資産の合計額の10分の3以上である法人の株式等【特定株式等】

(注)1 「特定地域」とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域(同項の規定の適用がない場合には、その特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域)をいい、令和6年3月25日現在で、次の地域が該当します。

都道府県名 特定地域
石川県 県内全域
富山県 県内全域
新潟県 県内全域

 2 金融商品取引所に上場されている株式など一定のものを除きます。

 3 この場合の「動産等」とは、動産(金銭及び有価証券を除きます。)、不動産、不動産の上に存する権利及び立木をいいます。

 4 「調整率」は、国税庁ホームページ(https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r06/chousei/city_frm.htm)でご確認下さい。

 5 この土地等の価額の計算は、令和6年分に適用される評価通達等 に基づいて行うことになりますので、居住用の区分所有財産(いわゆる分譲マンション)に係る敷地利用権(土地等)の価額の計算については、区分所有補正率を乗ずるなどの新たな計算方法により行うことになります。

 2 家屋

特定非常災害発生日前に相続等又は贈与により取得した家屋の価額は、固定資産税評価額に基づいて評価します。

(注) 令和5年中に取得した家屋は令和5年度の固定資産税評価額を用います。

 3 参考(災害減免措置)

上記1の特例評価のほか、相続等又は贈与により取得した財産に被害を受けた方で、一定の要件に該当する場合には、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」により相続税又は贈与税が減免されます(詳しくは、「相続税又は贈与税の災害減免措置について(令和6年能登半島地震用)」をご覧ください。)。

 Ⅱ 特定非常災害発生日以後(令和6年1月1日以後)に取得した財産の評価
 1 土地等

令和6年1月1日から令和6年12月31日までの間に相続等又は贈与により取得した土地等のうち、特定地域内にあるものについては、「特定非常災害の発生直後の価額」(令和6年分の路線価等に「調整率」を乗じて計算した価額を基に評価した価額)に準じて評価することができます。
 また、課税時期の現況において、特定非常災害により土地等が物理的な被害を受け、原状回復していない場合には、原状回復費用相当額(注)を控除した価額により評価することができます。

(注) 原状回復費用相当額については、例えば、①原状回復費用の見積額の80%に相当する金額、又は②市街地農地等を宅地に転用する場合において通常必要とされる宅地造成費相当額から算定した金額とする方法が考えられます。

 2 家屋

令和6年1月1日から令和6年12月31日までの間に相続等又は贈与により取得した被災した家屋の価額は、その取得した家屋について被災後の現況に応じた固定資産税評価額が付されている場合には、令和6年度の固定資産税評価額に基づいて評価します。
 なお、被災後の現況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合には、次のとおり評価することができます。

 ⑴ 被災した家屋の評価方法

〔 令和6年度の固定資産税評価額 × 1.0 倍 〕-〔 令和6年度の固定資産税評価額 × 市町村の条例等に基づく被災した家屋に係る固定資産税の軽減又は免除の割合 〕

 ⑵ 被災した家屋について、修理、改良等を行っている場合の評価方法

上記⑴の家屋について、特定非常災害の発生直後から課税時期までの間に修理、改良等を行っている場合には、次の算式により評価することができます。

〔 上記⑴により計算した金額 〕+〔 特定非常災害の発生直後から課税時期までの間に投下したその修理、改良等に係る費用 × 70% 〕

 3 株式等

令和6年1月1日において特定地域内にあった動産等(注1)の価額が保有資産の合計額の10分の3以上である法人の株式等(注2)を、令和6年1月1日以後同日を含むその法人の事業年度の末日までの間に相続等又は贈与により取得した場合において、その株式等を類似業種比準方式又は配当還元方式により評価するときは、上記Ⅰ1の「特定非常災害発生日前に取得した特定株式等」に準じて計算することができます。

(注)1 この場合の「動産等」とは、動産(金銭及び有価証券を除きます。)、不動産、不動産の上に存する権利及び立木をいいます。

  2 金融商品取引所に上場されている株式など一定のものを除きます。

 Ⅲ 申告期限の延長について

相続等により財産を取得した相続人等又は贈与により財産を取得した方が、上記Ⅰ1の特例の適用を受けることができる場合の相続税又は贈与税の申告期限は、次のとおりとなります。
 なお、相続税について、相続人等のうちに、上記Ⅰ1の特例の適用を受けることができる方がいる場合には、その相続人等の全員の申告期限が次の期限まで延長されます。

税目 財産の取得時期(相続開始の日又は贈与の日) 申告期限
相続税 令和5年2月28日~令和5年12月31日 令和6年11月1日(注)
贈与税 令和5年1月1日~令和5年12月31日 令和6年11月1日(注)

(注) 国税通則法第11条の規定に基づき申告期限が延長された方は、令和6年11月1日とその延長された期限のいずれか遅い日が申告期限となります。

令和6年1月(令和6年7月改訂)

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